豊乳肥臀 魔幻現実主義の莫言氏 インコに軽蔑された

図書館から借りてきた本のタイトルを見てインコが「わっ、キモっ!」って言った。「豊乳肥臀」。
「豊かなおっぱい大きなお尻」。「ボンキュッボン」ってやつ?ブラジル女性の理想スタイル?ギリシャ彫刻とか?シギリヤ・レディとか?

でも漢字で「豊乳肥臀」って書かれると、あまりセクシーさを感じないのは私だけ?きっと中国の土のにおいがする逞しい女性を讃えるお話に違いない、そう思って借りてみた。

莫言氏は「你可以不看我所有的作品,但你如果要了解我,应该看我的《丰乳肥臀》」と言ってる。莫言氏の代表作。それにお亡くなりになったお母さんに捧げた小説なんだもの。きっと大丈夫。

開けてびっくり玉手箱。少なくとも食事なんかしながら読んじゃダメ。きっと吐き気を催す。グロくて臭くて汚くて、そしておっぱい。「魔幻现实主义」の文章を読むためには、心の準備が必要だった。

こうにちドラマで体験済みなのだけど、慣れるまで時間がかかる。たまたまシリア空爆のドキュメント番組を見たばかりだったもんだから、戦争シーンは生々しく感じられてキツかったなあ。

「四世同堂」を読み終えたときのように、ああ、面白かった!!って全然言えない。第一、かささぎの好きな“老北京”の話じゃないし。舞台は莫言氏の故郷をもとにした山東省の“高密东北乡”。時代は日中戦争から経済の改革開放政策がある程度進んだ頃まで。物語は報われない辛い話ばっかり。屈折してる。

それでも、読み進めていくうちにだんだん慣れていく。この感覚がミソなのだと思う。
中国式“麻痹”。中国で生きてゆくためには自分を“麻痹”させる技術が必要なんじゃないかと思う。

強い母親の姿を描いている、ってことなのだけど、どんなふうに強いのかは是非本を読んでみてほしい。封建的で狂気じみている話もある。とにかく今の日本の平和な感覚をちょっと横においといて、莫言の描く母親像に触れてみるのがいいと思う。

一つだけ。例えば、人の目をごまかし隠れて穀物を飲み込み胃袋に溜めて、家に帰って吐き出して洗って子供に与えたというくだり。実はこのエピソード、莫言氏の母親が本当にやっていたことなのだそうだ。そうでもしないと育てることができない時代が中国にはあった。

中国のサイトで見たのだけど、莫言氏って5歳でやっと卒乳したんだって。モンゴルでは成長した息子でもおっぱいを吸う習慣があると聞いたことがあるから、莫言氏はまだ可愛い方なんだろうけど、とにかくお母さんに対する莫言氏の思いはとても強い。

それにしても、この小説を読んだ人はどんな感想を持つのだろうか。
こちらのサイトでは百度を真似た模範解答ではなく、自分の言葉で書く人が集まっている。
「他写出了人性,特别是兽性。」なんてコメント、なるほどそういうことなのかと思った。
http://book.douban.com/subject/1010349/reviews

この小説、そのうち映画化されるらしい。こんな長い話どうまとめるんだろう。最初の日本鬼子の部分だけで終わるってことないよね…。

今気が付いたのだけど、以前「暖」という映画を見たことがある。香川照之氏が“哑巴”役で出てる映画。この映画の原作が莫言氏の「白狗秋千架」って小説だった。

莫言氏の小説には“哑巴”とか“瞎子”がよく出てくる。これも「魔幻现实主义」の手法なんだろうけど、こういうのが書けるのも中国ならでは。日本なら抗議されかねないよね…。
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