北京で勇気十足

アクセスカウンタ

zoom RSS 長城で人にぶつかって事故になった話

<<   作成日時 : 2015/05/27 11:12   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

4月8日慕田峪长城20号烽火台付近で事故があった。自分も観光中にトラブルを起こしたり巻き込まれたりすることがあるかもしれないし、勉強のために新京報の記事をがんばって読んでみた。

被害者は黒竜江省から家族と観光に来ていたCさん70歳。加害者はカナダ人女性Fさん。

●Cさん家族の話:Fさんが勢いよく石段を下りてきてCさんにぶつかった。Fさんは我々家族とCさんの間をすり抜けたかったようだ。押されたCさんは堅牢な壁面に後頭部を強打し倒れた。すぐ救急と警察に連絡したが救急が到着したのは約1時間後。口や耳から大量に出血したCさんは現場で亡くなってしまった。その場に留まっていたFさんは北京市公安局怀柔分局の警官に連行された。
●新京報の記者の取材によるとその辺りの通路は狭くなっており幅は1.5mほど。石段も急峻で60度ぐらいあった。
●北京市慕田峪长城旅游服务有限公司安保监控部の話:事故現場はちょうど防犯カメラが映らない位置だった。ここに注意喚起の標示はないものの、長城では追いかけ合ったりふざけて騒いだりしてはいけないことになっている。
●翌日深夜1時になって警察から連絡があった。今回の案件は刑事事件の範疇でないため“治安支队”が処理に入ったことと、遺族に民事訴訟の手続きをするよう勧める内容だった。つまり警察は今回の事件を不慮の事故と判断したことになる。
家族が当時思ったことは二つ。一つは警察からFさんが11日帰国の航空券を所有していることを聞かされておりもし出国されたら解決できなくなってしまうということ。もう一つは当人の供述だけで不慮の事故として片づけられるのは納得できないということ。
●“过失致死”と“意外(不慮)”の違い。
過失致死とは、不注意により予見できないまたは予見していてもそれを避けられると安易に考えたことで他人を死亡させてしまう行為。
不慮の事故とは、外的要因により損害を起こした事故。予見できない原因で起こるものであり、その人の故意または過失とみなされない。
●刑事責任の“过失致人死亡罪”なのかそれとも民事の“意外事件致人死亡”なのか、その判断は過失行為もしくは主観的故意の有無による。ぶつかって死なせてしまうというのは注意義務を果たしていたと言えないが、一般的には予見できなかったと言える。
Fさんが足を踏み外したことが原因でぶつかったのだとしたらこれは民事。もし踏み外していないのであれば、この観光地において走ってはいけないという決まりがあったかどうかによる。危険行為として禁じているのであれば刑事責任を問われる可能性がある。
●警察の判断に不満がある場合、遺族は第三機関に再度鑑定を行うよう求めることができるし、検察院に監督と立案を申請することもできる。
●治安支队が処理をするとは。
警察が治安支队による処理を決定した場合、治安支队はFさんが《治安管理处罚法》に違反していなかったかを調べる。公共の場所での危険行為が事故につながったのなら《治安管理处罚法》に触れる可能性がある(仮に違反行為が認められれば罰金と更に“行政拘留”になる可能性もある)。それから治安支队が“民事赔偿调解”を行うが、その調停が成立しなかった場合、遺族は裁判所で民事诉讼を起こすことができる。
●外国人の出国について。“民事赔偿调解”が成立していれば出国が認められる。不成立の場合、遺族はできるだけ早く裁判所に民事诉讼の申請手続きをする必要がある。
《出境入境管理法》第28条では、民事裁判が終了していない外国人に対し人民法院が出国禁止の決定を下し執行するとある。
また《出境入境管理法》第23条によると、仮にFさんがすぐ出国しようとした場合、公安部かその授権機関へ怀柔分局が緊急報告をすることで、出国の不許可を決定することができる。
《民事诉讼法》でも、当事者が一方的な理由で判決を守らなくなる可能性がある案件に対し、裁判所はもう一方の当事者の申請に基づきその行為を禁止することができるとある。つまり裁判所は結審していない民事案件において外国人の出国を制限できる。またその申請は起訴前に提出することができる。それを“前行为保全”という。“前行为保全”申請を受けた裁判所は、緊急の場合、48時間以内に裁定をすることになっている。裁定は直ちに執行される。
http://epaper.bjnews.com.cn/html/2015-04/10/content_570889.htm?div=-1
http://epaper.bjnews.com.cn/html/2015-04/10/content_570910.htm?div=-1

………
事件から4日経つ。Cさん遺族は北京市公安局怀柔分局で“不予刑事立案的通知书”を受け取った。つまりこの案件は刑事事件として立件されなかったということになる。

●北京市公安局怀柔分局の刑侦支队の担当者の話:Fさんは当時うっかり石段を踏み外してしまったと語っている。事故が起こったときFさんの体は確かに傾いていたという証言が複数の目撃者からあったが、それが石段の踏み外しによるものかどうかは確認取れていない。警察は慕田峪景区のほかの場所の防犯カメラを調べたが、Fさんが同行していた男性と追いかけ合いをしたりふざけて暴れたりした様子は確認できなかった。よってこの案件に犯罪の事実がないことを総合的に判断した。
●なおCさん遺族はこの説明に納得していない。警察側は4時間かけて調停を行った(Fさんはまだ出国していない)。
●調停不成立の場合。
遺族は怀柔区法院に民事または刑事の“自诉诉讼”を起こすことができる。
民事诉讼であれば、死亡赔偿金や精神抚慰金等を請求することになる。
警察が発行した“不予立案通知书”を添えて裁判所に“刑事自诉案件”の立案を請求できる場合とは、《刑法》にある「公安机关または检察院が被告人の刑事責任を追究しない場合で、被害者の人身・財産の権利を侵犯した被告人の行為に対し刑事責任を追究すべきと証明する証拠を被害者側が持っている場合」のこと。
“刑事自诉”にしろ“民事诉讼”にしろ、立案するためにはまず手続きが必要。そうすれば外国人の出国を制限できる。
http://epaper.bjnews.com.cn/html/2015-04/12/content_571252.htm?div=-1

………
4月13日、遺族は怀柔区法院に“民事起诉书”を提出、同時にFさんの出国を制限する申請を行った。怀柔区法院はこれを正式に受理、“民一庭”で審理することを決定した。(※「民一庭」は民事案件を担当、「民二庭」は商事案件を担当、「民三庭」は知识产权案件を担当するのだそうだ)
Cさん遺族は、起訴状の中で、Fさんが“公开道歉”を行うことと相応の“赔偿诉求”を求めたことを明かした。また遺族はCさんの解剖にも同意しているという。
http://epaper.bjnews.com.cn/html/2015-04/14/content_571763.htm?div=-1

………
4月25日。加害者Fさんが数日前に遺族の元を訪れ、本人の口から英語で謝罪があり、遺族はその謝罪を受け入れていたことが分かった。双方は調停を受け入れ“调解赔偿协议”もまとまったという。その協議内容は明かされていない。Cさんの遺体は来週怀柔で荼毘に付されたあと、故郷の佳木斯に帰ることになっている。
とある弁護士は「遺族は相手側が“超国民待遇”を受けたのではないかと心配しているのでは」と言っている。
http://epaper.bjnews.com.cn/html/2015-04/26/content_573708.htm?div=-1 

………
人ひとり亡くなったのだから当然大ごとになるのはわかるのだけど、ネットで騒がれたり国民感情に触れたり最後は“超国民待遇”(外国人が起こした事件に対し大人の事情で優遇してもらう?)と言われたり、なんだか後味が悪い。中国は広くて縛りがなくてついつい羽目を外してしまいそうな雰囲気があるが、ホント気を付けようと思った。郊外のせいか救急車が遅いことも知った。有名観光地だからといって油断してはいけないと思った。
にほんブログ村 海外生活ブログ 北京情報へ
にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
長城で人にぶつかって事故になった話 北京で勇気十足/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる