2021年 春晩 嫦娥5号帰還機 ボカロ洛天依 周深くん 月亮姐姐 天龍山石窟佛首 云录制

辛苦了と労いで始まった今年の春晩。期待通りの素晴らしい舞台だった。だけどどこか落ち着いてるというかここ数年とちょっと違う雰囲気もあった。それがなんなのかよくわからないのだけど、ただ明らかに例年と違ったのは、かささぎ大好物の一つである中継演出がひとつも無かったこと。さすが中国!って感じの力技、数えきれないほどの演者が歌って踊りまくるあの地方中継が無くなってしまったのは、きっとコロナ禍のせいだ。
反面、会場の観客は春晩仕様お揃いマスクをしていたとはいえ(あれ欲しい!)、座席はみっちり埋まっており、演者との握手やハイタッチがあったり、会場を巻き込む大合唱があったり、座ったまま手を振ったり踊ったりで、ずいぶんと盛り上がった。3密回避ばかり考えてるかささぎには眩しすぎた。もちろん演者も観客もPCRを受けたうえであのような演出になっているわけだが、目の前であんな光景を見せつけられると、やはり羨ましくてじりじりする。
来年2月は北京五輪だからもっとアピールしてくると思ったが、演目は1つだけで意外だった。本物の冰墩墩と雪容融を初めて見たが、動作のかわいらしさで言ったら断然ミライトワとソメイティだ。日本のマスコットは動けるからな!可愛さ半端ないんだぞ。
脱贫も話題になるだろうなと思っていたら、やっぱり取り上げられた。
詳しい事情は新京報でも。
http://epaper.bjnews.com.cn/html/2020-11/24/content_793455.htm

宇宙関連も絶対やると思っていた。紹介されたのは4名の技術者の方々。
・杨孟飞氏 嫦娥五号探测器系统(去年12月に月サンプル持ち帰りに成功した無人月面探査機嫦娥5号)总指挥总设计师。 
驚いたのは本物の帰還機も一緒に登場したこと。表面がぼつぼつ爛れていて凄さを醸し出していた。
・张柏楠氏 航天科技集团五院载人航天工程副总设计师神舟飞船系统(中国の有人宇宙船)总设计师
・谢军氏 航天科技集团五院北斗卫星导航系统工程(全地球測位システム)副总设计师北斗三号卫星首席总设计师
・孙泽洲氏 天问一号火星探测器系统总设计师
火星探査機天問1号は、只今地球から1億8400万km、火星まで110万kmのところを飛んでいる。この番組の25時間前に“火星捕获”した。今年5~6月に火星着陸の予定らしい。

正直、今年の春晩はとても勉強になった。そしてまさか「日本」が出てくるとは思わず一瞬耳を疑った。そしてかささぎの願望である「日本のキャラクターを登場させてほしい」を叶えてもらったような気がしてとてもうれしい。小品は例年通りの優等生ぶりだった。武漢封城を取り上げていたが目を引いたのはドローン操作。あれ、やってみたい。
舞台演出はロボットが踊ったり書道したり、CG使いまくったり、云录制(春晩ステージを使わずネットを使って海外録画)を採用したり、いろんな方法で盛り上げていて良かったと思う。
今年の会場の後方にはたくさんのスクリーンが掛けられていて、たくさんの人々の姿が映し出されるようになっているのだけど、その様子はまるで万佛洞のようだった。
今年の红包プレゼントは抖音アプリで貰えるようになっていた。12億人民元って言ってた。そのほかにも淘宝割引クーポンとか、子供向けオンライン学習サービスの猿辅导と斑马AI课も成語クイズに答えてピアノなどの景品プレゼントをやっていた。

舞踊の演目。鳥好きにはたまらない孔雀の舞踊とトキの舞踊。両方素晴らしかったが今回は朱鷺色衣装が美しいトキ舞踊を推したい。本当にきれいだった。でもトキはフラミンゴみたいなダンスはしないと思う。
「节日」「非洲歌舞」を見たときは、これは言われるかも、と思った。レベルの高い中国のダンサー達がこういうことで言われてしまうのは残念だしもったいない。
今年のピアノは李云迪氏だった。長めに見ていられて良かった。
中国テイストのドレスを着たモデルさんのショーもきれいだった。髪飾りもすごかった。李宇春さんも素敵だった。
ちょうど今、中国国家博物馆で中国古代服饰文化展をやってる。髪型の解説もあるので興味あるのだけど、見られないのが本当に残念。
http://epaper.bjnews.com.cn/html/2021-02/07/content_797363.htm?div=-1

歌で良かったのは韩红さんの追梦之路。お姿に感服。
明天会更好は2年連続。何度聞いてもいい。
灯火里的中国を歌った张也さんと周深くん。張さんは言わずもがな、今年は周君の天使の歌声に鳥肌が立った。中国梦の風景が浮かんで見えたよ。カラオケで歌える人はそういないであろうハイトーンボイスだった。
易烊千玺くんは疲れているように見えた。
请放心吧中国の雷佳さんの歌声もきれいだった。後ろに映る風景も良かった。
丁度年明け時間に少数民族ダンスと红歌を入れてきたが、もっと見ていたかった。
アンドレア・ボチェッリ氏の云录制による出演。イタリアにこだわったのには訳があるのだろうか。息子さんのイケメンぶりは何かのCMかと思えるほどの完成度だった。
特筆すべきは、月亮姐姐と虚拟歌手・洛天依と王源くんの共演。月亮姐姐の存在感に王君が霞んで見えた。ボーカロイド歌手の洛天依の存在感もすごかった。調べてみたら「Yamaha公司的VOCALOID3语音合成引擎为基础制作的全世界第一款VOCALOID中文声库和虚拟形象」ということで、日本にも縁がある虚拟アイドルだった。

国宝回家と銘打った中国のお宝コーナーについて。
中国の科学技術や軍事力のすごさはもうお腹一杯、できれば違う中国も見てみたいと前から思っていたが、今回は返還されて中国に戻ってきたお宝を紹介してくれた。
・香港から返還された「五牛图」唐・韩滉。
中国十大传世名画。故宮から流失したもので50年代に香港にて見つかり6万港元で買い取られ、1977年に故宮博物院に収蔵。
・「圆明园青铜虎蓥」(西周) イギリスでオークションにかけられ41万ポンドの値がついていた。2018年中国国家博物馆に収蔵。
・「秦公鸷鸟形金饰片」2019年(中国建国70周年)に香港のコレクターから返してもらったらしい。
・「曾伯克父青铜租器」(春秋初期)2014年以降に違法な手段で日本に持ち込まれ、それ気づいた中国側が日本側に働きかけ、オークション出品を取り止め、2019年無事中国に返還されたというもの。ちなみに容疑者(上海在住)は捕まっている。
詳しくは:https://baijiahao.baidu.com/s?id=1644292510192061695&wfr=spider&for=pc
・このほかにも昨年だけで、イギリスやエジプトから100件近い文物の返還が叶ったそうだ。
新聞ではこんなことが記事になっていた:
http://epaper.bjnews.com.cn/html/2020-11/19/content_793142.htm
http://epaper.bjnews.com.cn/html/2020-12/02/content_793873.htm?div=-1

で、今回主役として観客にお披露目された国宝が「山西太原天龙山石窟第8窟北壁主尊佛首」。1400年以上前(隋)に砂岩に彫られたもの。20世紀初頭、完璧な状態の仏像がほとんど残らなかったほどの大規模な盗掘に遭い、その多くが海外に流失。この佛首も百年近く海外にあったが、中国各方面の努力と華僑の協力により無償で、昨年12月に日本から返還された。国家一级文物。
事の顛末はこちらが詳しい:
https://www.bilibili.com/read/cv9782879/
ちなみに北京鲁迅博物馆で展示中。いずれは天龍山に戻す計画らしい。

勉強になったし、とても楽しかった。今年は歌も良かったなあ。火星着陸ニュースも楽しみ。
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りんご

毎年りんごの季節になると大箱で送ってもらっていた。
父親の訃報があった翌日にそのりんごが届いたのだけど、火葬される前に直接お礼を言えてよかった。
いつもならご近所におすそ分けするところだが、今回は冷蔵庫にしまって大事に食べていた。今日は最後の一個。
有難く頂戴して、忌明けにする。