北京の電子印鑑 顔認識技術と個人情報

北京にいたときハンコを使った記憶があまりない。たまに社内で受け取りのためにサインする場面で、わざと日本の認印を押して相手に面白がってもらった程度。
会社にいたとき社印を見たことがある。ほぼ同じ大きさで同じようなデザインのが数種類あって(それぞれの正式な名称は知らない)、提出先ごとに使い分けていた。とっても大事なもので、絶対触らせてくれなかったし、鍵をかけてしまっていた。実際押印するときも、したものを受け取るときもとても慎重で、その様子は店員が受け取った紙幣が偽札ではないかと細かくチェックするときに似ていた。不思議なのはあの社印、傍から見るとただのゴム印なのだけど、使っているうち劣化しないのかなあってこと。

このたび北京で電子印鑑使用案が試行されるという。税金や社会保険など、ハンコが必要な場面って意外とあったことを知った。
新京報より。
http://epaper.bjnews.com.cn/html/2020-12/06/content_794130.htm?div=-1  
近日、北京市经济和信息化局らによって《北京市电子印章推广应用行动方案(试行)》が施行される。来年から北京は電子印鑑を推奨し、より多くの業界で普及が進むことになる。国家政策である「互联网+」(インターネット+)環境での行政管理とサービスが徐々に整うことで、デジタル経済の発展が加速するだろう。

北京では2005年より地方税(中国語で地税)業務において「安全电子印章」を使ったネット納税が行われていた。また人才档案公共管理服务中心も2018年から電子印鑑を採用しており、電子印鑑は従来の印鑑と同等の法的効力を持つものとして扱ってきた。
すでに利用が認められている納税関連、就職に伴う社会保険加入、住宅公共積立金(中国語で公积金)などのほか、2021年からはデジタル著作権の保護、偽造防止、商品の生産元確認、電子領収書、海外支払い、資産のデジタル化などで利用される。適用範囲が広がることで、ネットによるワンストップサービスが進み、その意義は大きい。
また、ネットのみで業務がこなせるようになれば効率が上がり、コストが下がって、ビジネス環境もよくなるだろう。
さらに、電子営業許可証や電子印鑑の普及によって、登記関連の規定を簡略化できる。

…………
顔認証の話。便利になっていいだろうぐらいに思っていたが、そんな簡単なことじゃないことを知った。
生態認証データの管理は十分気を付けないと危ないんだ。

http://epaper.bjnews.com.cn/html/2020-12/07/content_794201.htm?div=-1
顔認証の技術が進み、解錠や買い物、出社記録、警備に利用されるほか、不動産の購入手続きまでできるようになった。公園に行けば顔で認証され、マンション相談所に行けば顔で認証される。先日は、南京市の複数のマンション相談所で収集された顔認識情報を削除するよう求めたことが話題になった。技術が商業化されるこの時代、企業はやってはいけない境界線をはっきり理解していなければならない。

人工知能に起こるバタフライ効果はSF世界から現実の世界に場所を変えて討論されるようになり、AI技術の典型的な利用法である顔認証も論争の対象になった。
顔認証はすでにセキュリティ、交通などで用いられるようになり、今では振込や振替、実名登録、解錠などでも広く応用されるようになり、確かに人々はその便利さを体感できるようになった。
反面、あちこちに設置される防犯カメラは増える一方で、顔認証技術は濫用されていないのか疑念を抱く場面も増えた。日常生活において自分の顔をどう守っていくのか、顔認証の背後にある個人情報とプライベートをどう守っていくのかが今後の課題になっている。

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http://epaper.bjnews.com.cn/html/2020-12/07/content_794201.htm
南京のマンション販売所で顔認識システムが問題になり撤去された後、天津ではいち早く顔認識技術規範を法制化した。ルール化はとても重要だ。

顔認識は安全面から考えられた技術ではない。普段使う銀行カードなどの暗証番号は記憶の中に隠し持っているものであり直接盗まれるものではない。本当に大事な場面では文字のパスワードが使われる。
それに引きかえ顔は隠しようがない。公共の場でデータを得ることは簡単で、ネットの友達関係や交流の場でも検索は簡単だ。生体データというものは自分で設定できるパスワードとは違う。指紋や顔、虹彩や声紋といったデータが漏れてしまえば永遠にその秘密を守れなくなる。よって顔データに対しもっと敏感でいなければならない。 
EUにはデータ保護規則“GDPR”があり、顔画像は生態認証データとして他のデータよりより厳しい保護をするようになっている。
顔認識は確かに手間を省く便利さがあるが、安全を考慮したものではない。リスクを最小限に抑えるためにも、小区の出入り管理や会社の出社記録ではパスワードやICカードを使うようにし、生態認証データは使わなくていい。
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