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zoom RSS APEC中の北京の空気 APECブルー 米中気候変動共同声明

<<   作成日時 : 2014/11/20 23:05   >>

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なぜスモッグが発生するのかという問いに対する北京市环保局の説明は、気象条件(気圧が低い、湿度が高い、風速が弱い、気温逆転)と、“区域性汚染”の両方によるものだって書いてある。
穀物の収穫期を迎えた国慶節の時期に环保部(環境保護部)が「衛星で藁類の燃焼状況を監視した」という話があった。それによると特に北の地方である山东・河南・辽宁・河北・内蒙古で多かったそうだ。なるほど、藁を燃やした煙も公害になるんだなあ。
“区域性汚染”について知りたくなったので新京報を拾い読みした。

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APECに臨み、环保部の督察组(または督查组)という組織が活躍した。青空を取り戻すために自動車運転の規制や、工場・暖房排煙・建築現場の作業停止や制限を求める厳しい監督を行った。
・环保部は督察组を北京・天津・石家庄・廊坊・保定・邢台・衡水・邯郸などに派遣した。督察组の報告では、河北省には大気汚染日における全省統一の自動車運転制限のルールがなく、また公安交管部门などの行政手段が手ぬるい。一貫した規制ができている部門もあればできていない部門もあることを指摘した。また一部企業が規定通りの対策を実行していないことがわかり、実名公表の上、批判した。このような企業に対し地方政府は环保部の指示に従い調査の上処罰しなければならない。指示に従わない地方政府に対しては責任者への追及も行う。
・环保部は河南安阳市の調査結果を発表した。それによると安阳市の大気汚染防止規制は指導が行き届かず排煙が勝手に行われていることが分かった。环保部は安阳市長と話し合い特に厳しく監督することにした。
・环保部の第七督查组は张家口市で調査を行った。APECのための緊急排出停止は张家口市始まって以来の厳しい方案で、北京五輪の時よりも大規模なもの。生産の制限もしくは停止を行った企業は400社以上にもなった。また自動車プレート奇数複数制限も今回初めて導入される。张家口市环保局の書記も「こんな厳しい緊急措置はオリンピックの時でもやらなかった」と言っている。
・APECを目前に控え北京市环保局などの部門は汚染排気を減らすため房山や大兴などに出向き、石炭燃焼ボイラー・建築現場・セメント工場・生産臨時停止の対象企業など70社を調査監督した。
・APECのために环保部は16組の督察组を派遣しているが、北京市环保局でも、北京市监察局や北京市政府督察室などと共同で综合督察组5組と专项督察组20組を立ち上げ、海淀区や房山区などで調査を行い、ボイラー燃焼の基準値越えや屋外でのたき火などの監督を行った。

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APEC中、ネットで“APEC蓝”という言葉があっという間に広がった。11月10日の晩餐会で习近平はAPEC蓝について、“有人说,现在北京的蓝天是APEC蓝,美好而短暂,过了这一阵就没了,我希望并相信通过不懈的努力,APEC蓝能够保持下去。”と語った。

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APEC中の北京の大気汚染度は結局どうだったのか。以下、北京市环保局の発表。
11月1〜12日までの“空气质量”は、一級が4日、二級が7日、三級が1日という結果だった。“空气质量”優良率でいうと92%を達成した。
また、走行規制を行ったことで排ガスによるPM2.5の濃度は、昨年の同時期に比べて55%減少していた。北京・天津・河北の範囲でみると、PM2.5は29%ほど減少した。
APECを迎えるための計画では、周辺省の大気汚染物を30%減らすという目標があったが、実際には30%を超える効果をもたらした。この結果を受けて北京市环科院の院長は「このたびの措置は有効に機能したものであり、良好な空気をもたらすうえで決定的な作用を及ぼしていた」と結論付けた。

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2013年の北京市におけるPM2.5発生源を占める割合は、自動車排気が全体の31.1%を占めていたが、APEC期間中は自動車排気の割合が47.3%となった。これは逆に増えてしまったように見えるが、北京市环保监测中心の主任の話によると、この期間は石炭燃焼排煙や工事現場が停止したため、車の排気を占める割合が増えてしまったためだという。

北京市では20か所でナンバープレート読み取り調査を行ったが、それによると98%以上の自動車が奇数日と複数日に分かれる規制ルールを守っていた。
公用車の利用状況においては市が督导组20組を使って各単位で調査を行ったところ、74%以上がルールを守っていたことが分かった。

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問い:今回実現できたAPECブルーは人々の努力の賜物だったのか、それとも天の助け(たまたま気象条件が良かっただけ)だったのか?
答え:両方あった。当初の気象予報では11月9〜10日にかけて気象条件が悪くスモッグが発生すると見ていたが、排出制限が功を奏し「二級良」を維持できた。これは北京周辺の広い範囲で共同制限をかけた結果である。

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この青空を保つにはどうしたらいいのだろう?北京周辺の工場生産制限、交通規制、石炭燃焼の制限…、APECブルーのための手段は非常時のものであって、そのまま続けるわけにはいかない。だが実際に青空を実現できたことは、「お天気頼み」でしかスモッグを抑制できないわけではないと証明できた。今回の経験を生かし大規模な範囲で政策を推し進めればまた再現できるのであり、青空を望むことが贅沢ではない日がやってくるだろう。
そのためにも、政府部門が経験をしっかりと生かさなくてはいけない。また、北京市だけではAPECブルーを再現できない。もっと広い範囲での協力が必要だ。このたびAPECブルーにこぎつけたのは、周囲6省市が協力したことが大きい。今後は異なる地域の利益をどう確保し、省を越えた行政システムをどう強化していくかにかかっている。
大気汚染の原因は複雑だ。自動車排気ガス、工場が排出する硫黄化合物や亜硫酸ガス、農畜産業の排気、バイオマス燃焼のほか、土壌や河川汚染による自浄機能が失われたことも原因であろう。縦割り行政を越えた方案を作り広く協力して行う必要がある。
実際のところ、行政だけでは実現できない。市場調節機能を利用しなけらばならない。青空は政府と企業と個人が共同で努力した結果もたらされるものであるが、そうすると個人の道路自由使用権や企業の生産権など日常生活に影響が及ぶ。よって、行政命令だけで解決するのではなく市場調節機能を利用する必要がある。例えば石炭燃焼排煙企業に対し亜硫酸ガス除去装置の援助金を出すように、自動車排ガスの抑制に協力する企業や個人向けに価格によるテコ入れをすべきである。国務院はすでに《大气污染防治行动计划》を、最高法・最高检は《关于办理环境污染刑事案件适用法律若干问题的解释》を公布した。今までのやり方である「順法行為はコストがかかり、違法行為のほうが安く上がる」という状況を改善しようと尽力している。違法必罰の原則を守ることでしか、「呼吸の苦しみ」をなくすことはできない。

APECが終わってもあの青空を再現したい。北京は“清洁空气行动计划”を2017年まで行い、PM2.5を60μg/m3前後までに下げたいとしている。APEC期間の臨時的措置である、「北京・天津・河北・内蒙古・山东・山西等六省(区・市)共同の“预报预警会商机制”(この区域で大気の重度汚染が起こりそうなとき迅速に予報を出したり、連携して排気を減らすシステム)」を引き続き今後も運用することになった。

また北京では自動車の排気ガス抑制を自動車の“拥堵费”導入や“第六阶段机动车排放标准等政策”の検討もしている。

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APECが終わってからまた北京の空気が汚れてきた。これは気象条件以外にもAPEC中の排出規制が解除されたことが理由である。

暖房が始まった北京では、石炭燃焼の排煙汚染が増加している。北京地区だけではなく、華北地区全体で見た場合、その石炭燃焼汚染は相当な比重を占めている。

大気汚染は大都市における典型的な問題で、発展途上国の都市ならどこでも経験している問題だ。最終的に改善するまで2〜30年かかる。APEC臨時措置の結果が示す通り、このたび北京が行った大気汚染防止措置は有効であった。この措置を進めることで、北京はほかの国家よりも短時間で大気改善できる希望がある。

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11月12日、《中美气候变化联合声明》(米中気候変動共同声明)にて、中国とアメリカは2020年以後のそれぞれの排出削減目標を発表した。アメリカは2025年に、2005年度比で26%から28%削減する。中国は遅くとも2030年頃をピークに二酸化炭素排出を削減させる。また2030年より前に、一次エネルギーにおける非化石エネルギーの割合を20%前後まで増やす。
中国社科院美国研究所の研究員の話:中国とアメリカは最大のCO2排出国家であるとともに世界最大の経済体であり、その削減には大きな責任がある。中国とアメリカによるエネルギー協力は最重要点であり、今後双方はクリーンコール、クリーンエネルギー車、省エネ向上などにおいて、たくさん協力し合うことになり、その将来は非常に明るい。
  
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以上。
このたびの青空は、环保部の強い指導の下、北京市民だけでなく周辺省の人々の、それも北京五輪以上の努力と犠牲があって、実現できたのだって理解できた。 大変だったんだなあ。だけど「大気汚染を改善するのに2〜30年かかる」とか「CO2排出は2030年をピークに削減」とか言わず、何とか早く結果を出してほしい。今回は面目を保つことができてよかったのだろうけど、子供たちの事を考えると、一日も早く何とかしてほしいって思う。北京の“清洁空气行动计划”に期待していいだろうか。中国とアメリカは協力し合って責任を果たすって言うけど、一体どんなことしていくんだろう。早く続きが知りたい。

“区域性汚染”について。北京のPM2.5発生源の割合で見ると、自動車排気ガスより他の要素(工場排煙や石炭燃焼排煙など)割合が高いってことが分かった。だけど、他の要素って具体的に何と何なのか、それぞれの割合はどうなってるのか、具体的に書いてなかった。今回の社会実験で、ホントは環境工学の先生がとっくに計算して全部わかっているんじゃないの?もっとわかりやすい記事出してくれたらいいのに。

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追加メモ:
11月27日の記事より。河北省APEC期間対応について。河北省副省长杨崇勇透露,北京APEC期间,河北停产限产企业达到8430家,停工工地5825个,前三季度河北省的PM2.5平均浓度同比下降了12.7%。


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