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zoom RSS 中国 未婚で母親になった女性たち

<<   作成日時 : 2013/07/31 11:47   >>

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少し前だが、新京報に未婚の母(未婚妈妈)の記事が載った。

中国の法律では、婚内子と婚外子ともに同等の権利をもつ、と定められている。未婚で母親になった女性たちはわが子の尊厳を守り、未来への希望を抱きながら、生活上の困難に立ち向かっている。
しかしながら現実では、道徳的なもの、法律制度、社会の風潮、経済的困難など数々の圧力と戦っている。ネット上で互いに励ましあい支えあっていることもあるようだ。

未婚の母が中国にどのくらい存在しているのか、正確な統計はない。専門家は一人親家庭の育児に対する世間の関心をもっと高めるべきだと指摘する。反面、未婚の母の道を選ぼうと考えている女性に対しては、どうか子供のためにも熟考し、くれぐれも衝動的にならないでほしいと訴えている。母親の経済的負担、子供の社会性や人格形成に支障ないかなど不安な面が多いからだ。

以下取材に応じた三人の女性の話。
当時21歳だったAさんは北京に上京し、電子機器の営業の仕事を得た。3年付き合った彼がいたが喧嘩して別れた。別れた後に妊娠していることに気が付き、彼に会って話をしてみたものの、その彼はすでにほかの女性と結婚していた。父親が誰かわからないじゃないかと主張、結局認めてくれなかった。
医者からは「体質的に今後妊娠する可能性は低い」「堕胎を選択するのであれば、今後一生子宝に恵まれないことを覚悟するように」と告げられた。
さんざん悩んだが、彼女は産むことを選択した。
出産の日は大変だった。入院のためのお金が足りなくて、病院近くのATM に行ったところ、引き出し限度額が2000元だったため、結局大雨の中あちこち探し回り4か所当たってやっと必要な額まで引き出すことができた。
出産した後も苦労が絶えなかった。助けてくれる夫も家族もいない。あの当時の心細さを思い出すと今でも涙が出てくる。
生まれた子供はもう4歳になる。だが父親側の資料が揃わないため、いまだ戸籍に入れてもらえていない。

Bさんは32歳。安定した企業に勤めている。現在妊娠5か月。胎児は双子だそうだ。妊娠2か月の時に彼が逃げてしまい、このままいけばシングルマザーの道を歩むことになる。
取材に応じる彼女は泣きながら言った。「私は過ちを犯したけれど、子供に罪はないの」

Cさんは41歳。過去に結婚したことがあるが長く続かなかった。その後ネットで25歳の彼と知り合う。じきに妊娠したが、彼は中絶を強くすすめた。だが彼女は孤独な老人生活を送るくらいなら子供が欲しいと考えた。産んでみたら周囲の目も冷たく、厳しい現実が待ち構えていた。

未婚で母親になった場合、どんな問題が待ち構えているのか。
まず、婚外子には「准生证」が発行されない。この准生证がないと公立の病院では診察を受けられない。よって個人経営の産院を頼ることになる。
(※「准生证」は正確には「计划生育服务证」と言う。この証明書を発行してもらうためには、
男女双方身份证、男女双方户口本、结婚证原件、男女双方婚育证明(双方所在单位或社区开具)、免冠照片各一张、医院开具的已怀孕诊断书という、資料・書類を10種類もそろえなくてはならない。まずは社区居委会のデータ管理職員に申し出て手続きをしてから、街道办事处计生办で発行してもらう。普通は妊娠が安定してくる3か月以降に手続きをし、男女ともに法律で認められている結婚年齢であることを確認したうえで発行してもらえる。でき婚の場合は结婚证の取得手続きまで一緒にやるからもっと忙しい。)

もっと面倒なことは、婚外子の戸籍問題。
例えばAさんの例。子供の父親は北京に戸籍を持っているので、子供にも北京戸籍を作ってやりたかった。申請したもの何年経っても戸籍ができない。どういうことかと北京计生部门に尋ねたところ、「もともと婚外子には戸籍はないのだ」と告げられた。
そこで慌てて故郷の貴州の计生部门に行ったところ、「あなたは貴州で暮らしていないから、その子の出生を証明できるものがない」と言われた。

Cさんの例。匿名で计生部门に問い合わせたとき。電話で「婚外子の出産は違法です。戸籍に載せるためにはまず数万元の罰金を払ってください」と言われた。彼女は生粋の北京人でもちろん戸籍もある。近所には有名小学校もあり、親なら誰でも羨む住環境だ(北京には学区がある)。それなのにたった一枚、その戸籍の紙が存在するかどうかで、我が子の人生に雲泥の差が生じてしまうとはなんということか(小学校の入学手続きには戸籍簿が必要)。
子供が生まれる2か月前、Cさんは子供の父親に会った。彼は以前借りていた5千元を返してから、子供と自分には一切関係がない、と宣言した。そののち携帯の番号を変え、北京を離れ、そして一切連絡が取れなくなった。
Cさんが住むエリアの小区居委会ではその事情を知り、何とかしようと街道委員会や派出所が調停を持ちかけたが失敗した。父親の住むその地方の警察に頼ってみたが、警察が解決できる問題ではないと付き返された。失踪事件として警察に届け出る方法も画策したが、失踪届と言うものは直系親族が届け出るものであるから、Cさんには資格がないと警察に言われた。親身になった小区居委会も「規定以上のことはできない」と限界を認めた。それで弁護士を頼んで訴訟を起こそうとしたが裁判所は不受理とした。

「伝統的概念や国の政策のために、中国では未婚の母の存在が軽視されています」と発言するのは中国人民大学の人口学部・人口発展研究センターの楊教授。政策的にも学術的にも現状に符合していないと主張する。
以下楊教授の話。「我が国の出産育児に関するサービスは既婚女性に合わせて作られています。しかしこの10年で人々の考え方が開放的になり、一方では未婚の母が増加しています」「西洋では未婚出産の権利を母親に与えています。育児が困難な場合、政府や民間組織がサポートしています」「婚姻を前提に女性の出産の権利を語るべきではないでしょう。ましてや育児放棄など社会問題の原因にしてはなりません」

一体どれくらいのAさんBさんがいるか。なぜ彼女らは未婚出産を選んだのか。社会的弱者の利益をどう保障するのか。
新京報の記者は国家衛生・計画生育委員会などの関係部門へ何度も足を運んだが未だ回答を得られていない。

北京の某区の計画生育委員会の関係者が明かしてくれた。「正式な統計はないが、未婚の母から生まれた子供は“超生人口”(一人っ子政策から外れた人口)に含まれている。この区の場合なら“超生人口”の5〜8%ぐらいが該当しているだろう。毎年10〜20人ぐらいではないか」
ただしこの数字にはAさんのような“流動人口”(自分の戸籍地を離れ他の地に暮らしている人々)は対象外になっている。

………
婚内子と婚外子は同等の権利を持つとしながらも、現状は正反対だったとは全く知らなかった。よく噂になる「金持ちと第三者(愛人)」のパターンなら、それこそ人脈とお金(罰金を支払う)を使って、子供の将来を守ってやれる方法もあるのだろうが、記事で紹介された人たちは悲惨な生活を送っている。生まれる前から待遇に違いがあるのは子供にとっても悲劇すぎる。罰金を課すっていういい方も生まれてくる子供たち側からすると失礼だし。

中国のドラマになぜ未婚の母がほとんど登場しないのかこれで良く理解できた。国として希望の光を当ててあげる気持ちがないんだろう。
 
それにしても、中国のお役所手続きの煩雑さ、意地悪さ。読んでるだけで頭が痛くなる。

ちなみに。中国国家衛生・計画生育委員会のHP:
http://www.chinapop.gov.cn/zhuzhan/
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