北京で勇気十足

アクセスカウンタ

zoom RSS 養鳥 老北京の文化 鳥籠 ヒバリ ハシブトガラ マヒワ ノゴマ イカル

<<   作成日時 : 2013/06/04 11:54   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0

老北京の魅力の一つに北京流の“养鸟(養鳥)”がある。ドラマ「茶館」では松二爺や常四爺が、手塩にかけた自分の愛鳥を鳥籠に入れて茶館にやってくる場面がある。小鳥を愛でるのが八旗子弟の道楽のひとつだった。

その文化が今でも根づいている。現代の北京でも鳥籠をぶら下げて歩くおじさんを良く見かける。公園や団地の緑地の木の枝に鳥籠が掛けられているのを普通に見かける。おうちで飼うだけじゃない。外に連れ出して楽しんでいる。
鳥好きにとってはなんとも素敵な世界。

北京人の言う“遛鸟儿”とは:鳥籠をぶら下げて、茶館や城壁(昔は公園が少なかったから緑ある落ち着いた場所として城壁沿いが鳥愛好家の集まる場所になっていたらしい)まで出かけてゆく行為を指す。鳥のためにお散歩しているようなもの。

“会鸟儿”とは:その茶館などで鳥仲間と鳥を楽しむこと。愛好家それぞれが自慢の小鳥を持ち寄り、眺めたり鳴かせたり品評しあったり。例えば画眉(ガビチョウ)愛好家は画眉仲間の居るところに集まる。それが“会鸟儿”。

北京のペット市場(鳥市場)に行くといろんな小鳥を売っている。虎皮鹦鹉(セキセイインコ)、五彩鹦鹉(ゴシキセイガイインコ?)、芙蓉鸟(カナリア。金丝雀とか玉鸟とも呼ばれる)、珍珠鸟(文鳥)とか…。それぞれに素敵な小鳥たち。

しかし、老北京の“养鸟”の流儀でいうところの、“压音”を楽しみたいのであれば、どんな鳥でもいい、と言うわけにはいかない。さえずりの上手な、画眉、白灵鸟(ヒバリ)、 红子鸟(ハシブトガラ)、黄鸟(マヒワ)、靛颏鸟(ノゴマ)などが対象となる。

“压音”とは:他の動物や、声のいい他の鳥の声を真似て鳴くこと。例えば“百灵十三套”と言って、ヒバリは13種類の鳴き声ができるといわれている。ヒバリは歌が上手いからその歌声を“百灵套子”という。例えば、猫叫(猫の鳴き声)、母鸡下蛋(雌鶏が卵を産んでコッコッ鳴く声)、喜鹊(カササギのがちゃがちゃした鳴き声)などでさえずることができる。
鳴き方を仕込むのは飼い主の腕にかかっている。ただし訓練には順番が必要で、もしめちゃくちゃにさえずるようになってしまったら、それは“乱套”の状態。
鳥市場に行けば“百灵十三套”のCDが売られている。それを買ってきて家で一日中聞かせてやればいい。
しかし昔はそうはいかなかった。早朝出かけて上手なお手本を聞かせる。帰ってきたら四合院の中庭においてある大きな空の水甕に鳥籠ごとすっぽり収めて外界を遮断してしまう(他の鳴き声・雑音を覚えさせないようにする昔ながらの方法)。もし変な鳴き方を覚えてしまったらそれは“脏口”であり、飼い主はがっかりしてしまう。

北京の鳥愛好家がどれだけ“脏口”を嫌がるかと言うと。例えば昔あった某茶館での“会鸟儿”の場面。鳥籠にはそれぞれカバーをかけてあるからどんな鳥が集まって来てるのかわからないこともある。たまたま来ていたカナリアが鳴きだしでもしたら、ほかの飼い主たちは慌てだす。我が愛鳥がカナリアの鳴き声を聞かないよう自分のほうの鳥籠を叩き始める。そそくさと会計を済ませ立ち去ってしまう飼い主もいる。
カナリアの鈴を転がすような声はいい声だけど、老北京の“压音”基準からは外れてしまうらしい。“玉鸟 打嘟噜”という嫌味な言い方がある。

鳥のエサにも気を配る。恐れているのは“养鸟上火”と言って、鳥が体調を崩すこと。

老北京の“养鸟”では、鳥を2種類に分ける。
“文鸟”は“鸣禽”に属する。红子,黄鸟,靛颏など。
茶館の登場人物・松二爺が自分の命と同じくらい大切にしたのがマヒワだった。繊細で雅なこの鳥は文士が飼うイメージがあるらしい。
“武鸟”は“翔禽”に属する。体が大きく飛ぶ姿も楽しめる。画眉、梧桐(イカル)など
茶館の登場人物・常四爺が飼っていたのは画眉。武術の心得のある人が好む鳥として描かれている。

籠の種類は中国の南と北で違う。
“南笼”。飛びながら鳴く姿を愛でる流儀に適した四角型。サイズも大きめ。
北京は“北笼”でほとんどが円筒型。黄味がかった竹で作られた籠が高級品。釘は一本も使わない。榫卯结构(sunmaojiegou)という、要するに継いだり組んだりして作る伝統的な作り方。とても丈夫で高いところから落としても壊れないので“万年牢”と呼ばれた。
籠の上部、ひっかけるところは、“抓”という。真鍮でできていて細かい模様がついていておしゃれ。銀製のものもある。
清代の鳥籠は洗練されていて骨董的価値が高い。精緻なものは1万元(≒16万円)する。(北京テレビの「天下収蔵」ではその価値10万元以上するという鳥籠を放送していた)
鳥籠の中には一本の止まり木がある、“沙杠”という。
エサ入れは陶器でできている。“鸟食罐”。正統派は景徳鎮など有名どころの精緻なものを愛用している。美術品としてコレクションしたり中国流投資として扱う価値がある。

鳥籠に掛ける青色の布カバーは“笼衣”と言う。鳥が驚かないよう光と風を防ぐ働きがある。例えばヒバリは赤を怖がる。だからもし公園で赤い服を着た人が近づいてきたら、飼い主はささっとこのカバーをかけてしまう。布地は二重になっていて、良く見ると赤い糸で継ぎ目の見えないよう丁寧にかがったり刺してある。

“亮底”とは:底が見えるくらい籠を揺らすこと。なぜ揺らすのかと言うと、振り落とされまいとして鳥は足に力を込めるから。つまり筋トレをさせているようなものらしい。揺らすと鳥が元気になるのだという。

天津の画眉専用籠は人の背丈ほどもあるぐらいの大きさ。手に持てないので天秤にぶら下げて担ぐ。大きいので画眉は自由自在に飛び回りながら囀ることができる。

ヒバリの鳥籠の止まり木は変わっている。一本棒の止まり木は使わず(生まれつき棒に止まるのが不得意だから)籠の底に砂を敷いておく。ただし、籠の中央に舞台に見立てた“圆台”が置いてある。理想的なのは、ヒバリがこの丸い台の上で囀ること。“台上露脸儿”といってまるでステージで演じているように見える。逆にいつまでも台に乗らず底で囀られると飼い主はがっかりする。

なお、イカルの楽しみ方はまたちょっと違う。空中でエサに見立てた小さな球を咥えて戻ってくる芸はカッコいい。
鳥関連の骨董とイカルの芸の紹介
http://space.btv.com.cn/video/VIDE1355818174151473

画眉:http://baike.baidu.com/view/31388.htm
広州市の市の鳥になっている。日本では外来生物法で特定外来生物に指定、日本の侵略的外来種ワースト100選定種。
白灵鸟(ヒバリ):http://baike.baidu.com/view/16130.htm
国家二级保护动物。ただし人工飼育も広くおこなわれている。
红子鸟(ハシブトガラ):http://baike.baidu.com/view/14199.htm
特に北京で愛されている小鳥。国家林业局2000年8月1日发布的《国家保护的有益的或者有重要经济、科学研究价值的陆生野生动物名录》
黄鸟(マヒワ):http://baike.baidu.com/view/414703.htm
国家林业局2000年8月1日发布的《国家保护的有益的或者有重要经济、科学研究价值的陆生野生动物名录》
靛颏(ノゴマ):http://baike.baidu.com/view/1100052.htm
梧桐鸟(イカル):http://baike.baidu.com/view/814229.htm
………

“养鹰”について。
昔、鷹を捕まえるためには西山(西北山区)に行かなくてはならなかった。捕獲時期は餌がなくなる秋冬のころ。
北京・西直門内には后英房胡同(明・清代には鷹房胡同と呼ばれていた)という場所がある。昔鷹が売られていた場所。鷹狩は当時皇族の間で流行っていたから鷹を扱う業者もいた。テレビドラマ《孝庄秘史》には睿亲王ドルゴンが鷹を操ってるシーンがある。

北京流の鷹の馴らし方。まず目隠しをする。慣れてきたら“熬鹰”をする。要するに何人かがつきっきりで鷹を眠らせないようににする。そうすると鷹の野性をそぐことができる。(ただし今ではこのような方法はとらない。あくまでも信頼関係を築く方法で訓練する)
だから、北京では“熬夜”のことを“熬鹰”と表現することもあるそうだ。
黄鷹(別名:苍鹰。オオタカ)を使う。鷹は触られるのを好まない。早朝から腕に止まらせる練習をする。それから羊肉を買って食べさせ、それから狩りの練習を少なくとも10回はする。食べさせすぎると狩りをしなくなってしまうので注意。頭が大きくて鼻が広いものは言うことを聞く。頭が小さくて鼻が狭いのは狡賢くて慣れにくいと言われている。
鷹を繋ぎとめておく紐を“五尺子”という。
中国には有名な文物研究家でコレクターの王世襄という方がいた。鷹の文化にも造詣が深かったそうなので著書を調べればもっと詳しいことがわかるだろう。
もちろん、現在オオタカは保護動物なので勝手に捕まえてはいけない。
(中国国家重点保护等级:二级 生效年代:1989)

参考にした番組。「老北京人是怎么玩鸟的」。
http://v.youku.com/v_show/id_XNDQ1NDgwOTYw.html
にほんブログ村 海外生活ブログ 北京情報へ
にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 3
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
養鳥 老北京の文化 鳥籠 ヒバリ ハシブトガラ マヒワ ノゴマ イカル 北京で勇気十足/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる