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zoom RSS 鋼鉄はいかに鍛えられたか(鋼鉄是怎様煉成的) 小学生の読み物

<<   作成日時 : 2012/11/14 05:40   >>

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なんかずーっとすっきりしない。夏のアレから。ぐるぐる考えている。なんであーなっちゃったのか。
それで本を読むことにした。中国の小学生が読む本を。

推薦図書を検索してみた。魯迅や冰心や朱自清が出てくる。それから三国志演義、レ・ミゼラブル、戦争と平和、海底2万マイル、ハリーポッターシリーズ、星の王子様、不思議の国のアリス、スヌーピー等々。日本の本なら窓際のトットちゃんや盲導犬クイールの一生も列挙されている。

(ちなみにクイールの翻訳をしたのは日本人だった。猿渡静子さんという方。こんな方が100人ぐらいいて日本の本を中国向けに山ほど紹介してくれたらどれだけ素敵なことだろう)

で、推薦図書の書名を見る限り普通に“あり”の範疇。

だけどその中に一つだけずっと前から気になっていた本がある。北京の本屋の児童書コーナーで必ず見かける、時に平積みアピールしてあるほど存在感のある本。

タイトルは:「钢铁是怎样炼成的(日本語:鋼鉄はいかに鍛えられたか)」
ちなみにロシア語で「Как закалялась сталь」。

いかにも固そうなタイトル。期待に違わない、話の設定が超まじ固かった。(鉄工所の話ではなかった…)

この小説は1933年に旧ソ連の作家によって書かれた。舞台はウクライナで、時代は帝政ロシアが滅びるちょっと前から、レーニンが死んだちょっと後まで。

主人公は保尔·柯察金(パーベル・コルチャーギン)という少年。ウクライナの舍佩托夫卡という村に住んでいる。
地図:http://ditu.google.cn/maps?hl=zh-CN&biw=1362&bih=604&q=%E8%88%8D%E4%BD%A9%E6%89%98%E5%A4%AB%E5%8D%A1&um=1&ie=UTF-8&hq=&hnear=%E8%88%8D%E4%BD%A9%E6%89%98%E5%A4%AB%E5%8D%A1

苦労の絶えない貧しい暮らしをしていたのだが、布尔什维克(ボリシェヴィキ)の軍隊・红军(赤衛軍)に加わり、若き兵士として大いに活躍するが生死をさまよう怪我を負う。その後、厳冬の鉄道敷設工事に参加するが生死をさまよう病気になる。その後、党の青年幹部として務めを果たしていたが、生死をさまよう怪我をする。常に自分を犠牲にしてきた結果、体が不自由になり、失明までしてしまい、党のためにできることがなくなったことで生きる望みを失い自殺しかけるが、自分の体験を小説に書き記すことに生きがいを見つけ、最後はその本がめでたく出版された、というところで終わる。
要するに無産階級の少年が共産主義に出会い革命戦士となって成長しどんな困難にぶち当たっても負けない鋼鉄のような精神を得た、というお話。
百度の説明はこちら。長い話で登場人物も多いので役に立つ。(漢字で書かれたロシア人の名前って読みにくい)
それにしてもこの小説は中国人にとって、とても大事なものらしい。説明によると21回も翻訳されている。
http://baike.baidu.com/view/19536.htm#1

この物語の前半はウクライナ・ソビエト戦争がらみの話だから、人殺しや婦女暴行や処刑シーンもある。中盤以降は主人公の恋愛話や、党のなかでの人間関係の難しさを描いているところもある。
聞いたことのない事柄とか名称もたくさん出てくる。ユダヤ人定住区とか、ユダヤ人迫害とか、ドイツ軍とか、コサック兵とか、ポーランド兵とか、ボリシェヴィキとか、赤衛軍とか、白衛軍とか、ドイツ人移民とか、ドイツ革命とか、プガチョフの乱とか、クリミア戦争とか、キエフとか、セヴァストポリとか、シモン・ペトリューラとか、ヘーチマンとか、検索しても出てこない政党の名前とか…。
中国の子供はこんな小説をよく読めるなあ。かささぎはウクライナの話なんて読んだことなかったぞ。それにわからないところが結構あったぞ。

ちなみに感想文では苦労する人もいるらしい。あんちょこ文がネットでたくさん公開されている。要するに主人公の鋼鉄ぶりをいかに称えるか、ばかり。“经典”小説を不真面目に読んではいけない。私にはこんなこと無理だわ、なんて書いてはいけない。
例えば:http://wenku.baidu.com/view/618da120aaea998fcc220e56.html

犠牲になった同志のお墓の前で主人公が心に思った事。ドラマでも名台詞になっている。
人,最宝贵的是生命。生命对每个人都只有一次。人的一生应当这样度过:当他回首往事的时候,他不会因虚度年华而悔恨,也不会因庸庸碌碌而羞愧;临死的时候,他能够说:“我的整个生命和全部精力,都已献给了世界上最壮丽的事业——为人类的解放而斗争。人应当抓紧每一分钟,去过最充实的日子,因为意外的疾病或悲惨的事故随时都可以突然的结束他的生命。
人類の解放のために戦う、なんて壮大なことは思わないが、言いたいことはわかる。戦争を体験した人とか死に向き合ったことのある人なら特にこんな気持ちになるのかもしれない。熱くて真摯。でも、こういうところが“イタイ”って思う人もいるかも。

これも主人公が言った言葉。容赦なく侮辱してくる元お隣のお嬢様に言う場面。
女公民,我怎么也不会替您个人敲一颗钉子的。所谓的外交,我们会对付。实际上,我们比你们更有礼貌,我们既不砍你们的头,也不说您刚才那样的脏话。真恶心!
人としての尊厳を傷つけられたときでも、いかに冷静に対処できるか。感情のままに動いてはいけないことを主人公は知っている。
画像


ドラマ版(70年代ソ連制作の吹き替え版)について。
原作とちょっと違う。例えば党員が工場の資材を横流しするという話が出てくる。腐敗に悩むのは中国だけじゃない。
それにしても、ロシアの音楽は情緒的でいい。主題歌もいいが、兵士達が火を囲んで歌を歌っているシーンなんかもいい。
だけど、なんとなく、どこかで見たことのあるような。というか、話が話だけに、場面場面がこうにちドラマと似てくるのはしょうがないのかもしれない。
というか、中国のこうにちドラマの多くはこの「鋼鉄はいかに鍛えられたか」に少なからずも影響を受けているのではないだろうか、と思った。
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コメント(2件)

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你好
你还读钢铁是怎样炼成的呢
呵呵呵
昔お母さんが絵本バージョンのやつ持ってたけど、途中で飽きて読むのやめちゃった笑

你是华人吗?还是留学生?

中国は良いところだよ〜
えりさ
2017/01/10 20:46
えりさ様:コメントありがとうございます。飽きる飽きないは別として、お母さんの絵本を見せてもらえるなんていいですね。私は昔留学生をしていました。中国はいいところだと思います。今年は沈从文の边城にチャレンジしたいと考えているところです。
かささぎ
2017/01/11 16:23

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